短編小説・ショートショート【極楽堂】

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暗闇の足音

 身体が熱い。
 名ばかりの春の夜は、まだまだ肌寒い。
(04枚) 091

銀のピアスと彼のタバコ

「ねえ、ちゃんと聞いてるの?」
 苛立ちを隠そうともせずに、わたしは彼に問いかけた。
(10枚) 092

呼び方会議

「いつだっけ?」
 夢中でコントローラを操作し、相手にコンボを決めていると、後ろからタカヤに声をかけられた。
(02枚) 093

2人の関係

「いやだよ、そんなこと」
「は? なんでだよ」
「そんなことしたら嫌われちゃうし」
(02枚) 094

キミだけを

「どうして、こんなことを……?」
 長髪を後ろに束ねた少し影のある女が、理解できないといった口ぶりでつぶやいた。
(02枚) 095

計画は午後の喫茶店で

 午後二時半に、この店で。
 携帯のディスプレイを見ると、まだ二時十分を過ぎたところだった。
 少し早いも気もするが、まぁいい。遅れて相手に不愉快な思いはさせたくない。
(06枚) 096

小さな大間違い

 持ち上げかけた受話器を充電器に戻す。
 これで四回目。
 電話をかけようという意思はあるのだが、身体がそれに従ってくれない。
(03枚) 097

迷惑な彼女

 きっとあの女は日本語が分からないのだ。
(05枚) 098

彼の秘密

「あれ? なかったっけ?」
 ラックを探す手を止め、富田陽子はひとりつぶやいた。(連作)
(14枚) 099

彼の戦慄

 人通りの多い駅の近くの牛丼屋と、少し郊外にある牛丼屋。
 忙しいのはどっちか。(連作)
(09枚) 100
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