短編小説・ショートショート【極楽堂】
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エレベーターにて
ドアが開く。みな黙ったまま、狭い個室の中に入っていく。
体感温度が一、二度低く感じる。
(05枚) 031
聞いたことない
健康のために、プラス、ダイエットのために、最近はジュースではなく、水を飲むようにしている。(07枚) 032
あるべき場所
「あー、また落ちてる」道端に落ちている空き缶を指差しながら、タイチが言った。
よく見かける光景だが、気分のいいものではない。
(06枚) 033
求愛的電波
五時を告げるチャイムがなり、そそくさと書類を片付け始める。乱雑にちらばった紙切れをファイリングし、棚に収めていく。(08枚) 034
かくれんぼ
さすがに一週間も田舎にいると、することもなくなってくる。虫捕りも飽きたし、山の中もほとんど探検し尽くしてしまった。
(11枚) 035
死後の過ごし方
小さいときから、ばあちゃんに言われ続けてきた言葉。「悪いことすると天国に行けなくなるぞ」
その言葉を信じて、ぼくは悪いことをするのが極端に怖くなった。
(03枚) 036
瞬間告白劇
「ヒカルさん」突然、知らない声に呼び止められ、振り返る。見覚えのある制服を着ているところから、恐らくは自分と同じ学校であるだろうということがわかった。
(05枚) 037
閉じ込めたい
虫の知らせというものがあるならば、今感じているこの感覚こそがそれに違いあるまい。仕事も上の空で、ミスばかり。周りからも何かあったのかと尋ねられ、これ幸いと適当に理由をつけて、抜け出してきた。
(06枚) 038
気になる白
夜の道路というのは風景に代わり映えがなく、どうしても眠たくなってしまう。途切れてしまいそうになる意識を確かにしながら思う。
(05枚) 039
ファミレスナイト
夜中のファミレスというのは思ったより客がいるもんだな。入店を知らせるチャイムを耳にしながら、店内を見渡す。
(08枚) 040
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