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交わす言葉
「わたしたち、もう終わりにしましょう」
「嘘だろ？ なにを突然」
「あなたと一緒にいても、幸せになれないと思うし」
「幸せにするよ、絶対」
「無理だわ。あなたじゃ無理」
「理由を聞かせてくれよ」
「だいたいいつもわたしの話聞いてくれないじゃない」
「いや、そんなことないさ。いつも聞いてるよ」
「ううん。あなた、全然わたしにかまってくれないじゃない」
「いつも相手してるじゃないか」
「毎日毎日遅くに帰ってきて、すぐに寝るだけでしょ」
「よくそんなことが言えるな。誰のおかげで生活できると思ってるんだ」
「ほら、そういうところが嫌いなの。いつも人を見下して」
「亭主の言うことは聞くものだろ」
「そんなの時代遅れの考え」
「偉そうなこと言うな」
「やっぱり終わりね」
男はそこで口を閉ざした。
次の言葉が思い浮かばなかったのだ。
そんな男を女は嫌悪感をあらわにして眺めている。
「あなた今、何考えてるの」
「『ね』がつく言葉だよ」
Feb.11,2004
