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最後のメッセージ

 もう死のう。
 そう呟いた私の言葉は、誰もいない部屋に空しくこだました。
 もう生きていけそうにない。
 なぜ私ばかりがこんな目に合わなければならないの?
 何も悪いことはしてないのに。
 天井からつるされているロープをひっぱり、しっかりと固定されているかどうか確認する。
 死んでやるんだ。
 そうすることが私の復讐。

 いつも金をとっていたK。
 最初は一〇〇〇円。けれども、その額はエスカレートしていって、ついには一度に一〇万円も。そんなお金ないといったら、殴ったり蹴ったり。苦しむ私の姿を見て、薄ら笑いすら浮かべていた。
 あなたには人の苦しみが分からないのね。

 裏切りもののS。
 いつもみんなの顔色を窺って、みんなに合わせてばかり。私はあなたの味方よ、なんて言ってたのに、すぐにいじめる方に回っていった。仕方ないのといいながらも、その目には愉悦の表情があった。
 そんなことなら、最初から仲間なんていわないでよ。

 私の言葉を無視したY先生。
 自分のクラスにはいじめなんかないとタカをくくり、真剣に生徒の話を聞こうともしない。「私いじめられてるんです」って言ったら「お前に何か原因があるんじゃないか」って。
 原因?
 それがあるなら教えて欲しいわ。
 私ホントに何もしてないのよ。

 そして、いつも私を遠巻きに見ていた人たち。
 自分たちは何も手をくださず、関与しない。
 そうやって安全を確保しつつ、遠めに見ているだけ。
 その目に感情はない。
 私が死んだとしても誰も、本当には泣かないだろう。
 嘘の涙はあるかもしれないけれど。

 靴を並べ、その横に遺書を置く。
 これが私からの最初で最後の攻撃。
 意を決して、椅子の上に乗る。
 足が震える。

 誰も。
 誰も私を助けてくれない。
 
 あなたも。
 あなたも見ているだけで何もしてくれないのね。
 ただそこにいるだけじゃない。

 いいわ。
 私、死にます。
 さようなら。

Jan. 19,2003


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