短編小説・ショートショート【極楽堂】
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not魚
「めざしってどんな魚だっけ?」「は? お前めざしっていう魚がいると思ってるの?」
「え、違うの?」
「あのなぁ、めざしっていうのは、いわしの目を串とかで数尾連ねたものをいうんだよ」
「へえ、そうなんだ」
「なんだよ、急にそんなこと聞いて」
「それなら上等なめざしってどんなのかな?」
「上等なめざし? んー、やっぱ新鮮なやつじゃねえの?」
「なるほど、食べてみたいなぁ。期待のめざし」
「それは眼差しだっ」
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