短編小説・ショートショート【極楽堂】
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告白の指先
ドキドキしたのは最初のうちだけ。慣れてくればなんでもないさ。
ご覧の通りの外見だから、当然もてるわけもない。
いい関係までいった女なんて、片手で数えられるくらいだ。
そんなウブなおれだが、この仕事を始めるようになってどんどん技術は上達した。
天使のような優しい手つきでブラのホックをはずし、悪魔のような大胆さでパンティをおろす。
恥ずかしさや、ためらいなんてのは初めのうちだけ。
仕事と割り切ってしまえばなんでもないもんだ。
今では鼻歌まじりでだってできる。
そんなおれに対し、相手は何も言わない。
これは、まあ当たり前か。
だからおれのやりたい放題ってわけ。
どうだい。うらやましいかい?
くくく。
そんな大そうなもんじゃないぜ。
おっと、そろそろ仕事の時間だ。
今日も何体ものマネキンがおれを待ってるぜ。
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